2024年度は、長年続いたグローバル化を止めるような動きが顕著に表れた年となりました。コロナによって止められた流れの回復がままならず、戦争がはじまったと思ったらトランプ関税と、世界はブロック化へと向かっているようです。
中国国内では不動産市場への規制強化から、行き場を失った大量の資金が太陽光市場に流れ込み、過当競争が大幅な価格の下落を生み、当社も早期に情報はキャッチしていたものの、結果として前年比大幅減収となりました。
しかし、悪いことばかりではありません。当社にとっては、各事業とも再成長への準備が整い、私としても、とても自信のついた年となりました。
断熱材事業は、中国において、ヒーターモジュールの減収を補うべく、いくつかの新規事業をスタートさせ、新製品を投入しました。まだ規模は小さいですが、高純度のSiOやアルミナ粒子など将来性のある製品が新工場の余裕のあるスペースで生まれています。国内では、新たな商流の開発に成功し、強力なパートナーを得、成果も出ています。
ナノマテリアル事業は、CNF(カーボンナノファイバー)のお客様での評価が順調に進み、来期大型受注が見込める見通しもたってきました。また、日本NER株式会社様より譲受したシリコンなど資源・材料の輸入加工販売事業も順調に推移しており、当初見込みを上回る成果を上げています。また、CNFと販売先が重なることから、シナジー効果も生まれ、チャンスを広げることができました。
現在、事業企画室が進めているCMC(セラミックマトリックス複合材)も自社開発アプリケーションを防衛産業の展示会に出展、非常に高い評価を得ることができました。今後、当社の三本目の柱として育てるべく、事業化に向け準備を進めたいと思います。
株主の皆様には、株の希薄化、急激な株価下落など多大なご迷惑、ご心配をおかけ致しましたが、やっと三本の柱が立上りつつあります。正直、基礎部分ができたレベルで、今期はまだ厳しい状況が続きますが、必ず新たな成長軌道にのせていきます。
挑戦を続けるアルメディオグループを、引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
代表取締役社長 髙橋 靖