当社は、2024年2月1日付で株式会社湘南先端材料研究所と航空・宇宙分野における軽量・高強度・高耐熱部品の製品開発について技術提携契約を締結いたしました。この契約についてお知らせいたします。
湘南先端材料研究所の技術を活用し、複合材料CMC(Ceramic Matrix Composites:高強度セラミック繊維をセラミックマトリックス「母材」と複合化)の製造において、同社が開発した特殊プリプレグを用いることで、短期間に航空宇宙用の軽量・高強度・高耐熱材料を提供できます。この特殊プリプレグ*の利用により、広く普及している複合材料CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)製造装置が準用できること、また短期間で製造できるため競合材料(海外製CMC)の製造コストに比べてはるかに低いコストで製造できることが特長です。
湘南先端材料研究所の技術による「低コスト繊維強化セラミック材」は2021 年11 月にJAXA(宇宙航空研究開発機構)によって「革新的将来宇宙輸送プログラム」に選定され、宇宙往還機(日本版スペースシャトル)用耐熱・断熱外壁(熱防護システム)への適用に向けてJAXAと共同研究を行っております。すでに、高温曲げ試験、アーク加熱風洞試験(極超音速時の耐熱・耐久性評価)において目標をクリアした実績がございます。
当社は、CNF(Carbon Nano Fiber)で培った技術、事業展開に加え、この技術提携を通して航空宇宙用軽量・高強度・高耐熱部品分野への事業展開を進めると同時に次世代のエネルギー関連材料(燃料電池、リチウムイオン電池)や電子部品(耐熱プリント配線基板等)への展開を考えております。
*プリプレグ:引き揃えられた高強度セラミックス繊維あるいはセラミック繊維ファブリックに予めマトリックスとなるセラミックスを含侵したシート状のもの